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大山祇神社

国宝8点、重要文化財469点! 文化財の宝庫として知られる神社へ。

四国唯一の大社とされる大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)。かつて多くの島々が浮かぶ瀬戸内海の中で、御島、神の島とされた大三島。その西側の鷲ヶ頭山の麓に位置し、古くから山、海、武門の守護神として信仰を集めてきた。樹齢2600年のクスノキの大木に目を奪われる境内の奥に位置する本殿(1427建立)は、切妻屋根の片方を大きく延ばした屋根をもつ三間社流造(さんけんしゃ・ながれづくり)。17世紀初頭の拝殿とともに国の重要文化財だ。

 

そして、圧巻なのが名だたる武将から奉納された甲冑や刀剣の武具の数々。国宝8点、重要文化財469点という文化財の宝庫として知られる。その宝物を納める国宝館(1926)は、唐破風(からはふ)をもつ鉄筋コンクリート造。明治神宮の造営、平安神宮の増築にも携わった旧・内務省神社局の建築家、角南隆(すなみたかし)によるもの。紫陽館(1962)は霞ヶ関ビルで知られる山下壽郎が手がけている。それぞれ鉄筋コンクリートによる不燃化と歴史ある神社との調和をめざしているが、それぞれの世代の違う建築家による表現の違いが興味深い。

 

あわせて巡りたいのが隣接する海事博物館(1971/設計:清水建設)。昭和天皇の海洋生物研究に使われた御彩集船「葉山丸」を保存するモダニズム建築だ。2つの大きな棟梁をもった大きな屋根が特徴だ。

 

大山祇神社への参拝の際は、しまなみ海道から車で行くと通らないが、時間が許せばぜひ参道を通って欲しい。古の人たちが参拝したように宮浦港から進むと、霊峰鷲ヶ頭山が望め、伊東豊雄率いる伊東塾が手がけた「大三島 みんなの家」にも立ち寄ることができる。(text-Jiro Tsukamoto)

  • 拝殿。国の重要文化財。17世紀初頭に建立された。©SETOUCHI | ARCHI-TOURISM
  • 海事博物館。 清水建設設計。昭和天皇が海洋生物研究に使った「葉山丸」が展示されている。©SETOUCHI | ARCHI-TOURISM
  • 海事博物館の内部空間。©SETOUCHI | ARCHI-TOURISM

愛媛県今治市大三島町宮浦3327

0897-82-0032

宝物館は無休で開館時間8:30~17:00(最終入場16:30)。

入館料は海事博物館と共通で大人1000円。

HPは愛媛県神社庁のHP

http://ehime-jinjacho.jp/jinja/?p=1542